最適なガットとテンションを選ぶための7つのガイドライン


最適なガットとテンションを選ぶための7つのガイドライン


ガットはラケットに命を吹き込むと言われます。ガット選びはラケットを選ぶのと同じぐらい重要です。しかし、すべてのガット(と、ガットのテンション、張力)がすべてのプレーヤーに適しているわけではありません。プレイヤーごとに異なるニーズや好みがあります。この記事ではガットとテンションを選択するにあたり、判定材料となるためのガイドラインをいくつか示します。


1. 耐久性

全ての要件を満たすパーフェクトなガットが存在していれば選択する我々プレイヤーはとてもありがたいことです。しかし残念ながらテニスのガットの耐久性は、通常、操作性と反比例する傾向にあります。より太いゲージや摩耗に強い素材ので作られたガットはより耐久性がありますが、細いナイロンベースの物よりも弾力性と反発性が低くなります。もし1.25mmゲージのナイロンガットがすぐ切れてしまうようであれば、耐久性を高めるために、同じ弦の1.35mmバージョンに切り替えるなど、少しづつ調整して一番しっくりくる物を選ぶ必要があります。また、同じ素材でも耐久性に特化したモデルなどもあるのでよく製品のラインナップを確認しながら検討するのがベストでしょう。

ナイロン素材よりも耐久性が優れているガットとしてはポリエステルやアラミドまたはケブラーハイブリッドなど素材を変更していきながら、一番馴染むゲージと耐久性を選択する必要があります。

また、ガットは気温や湿気の変化にそれほど強くないため、極端に暑い場所や寒い場所で保管することは避けた方が良いです。したがって、ラケットはバッグに入れておくことをお勧めします。


2. 打感

ガットの弾力性をあげると、よりソフトな打感を得られます。これは打球時にストリングベッドが打球を包み込むポケット効果が多く発生していることにより、打球を包み込む感触(ホールド感)をより感じられるために起きる現象です。このため素材に弾力性のあるナチュラルガットやポリアミド(ナイロン)は一般的に優れた感触を提供するといわれています。


3. パワー

球足にパワー不足を感じたらガットのテンションを数ポンド下げてみてください。ガットの張力を下げることによりストリングベッドはより多くたわみ、より大きなエネルギーをボールに伝えることが可能です。もちろんあまり下げると虫取り網のようになってしまってラケットとして機能しなくなりますので20ポンドなどでは使い物になりませんが、ベースとなる数字、例えば50ポンドから初めてみて張り替え時に調整していくということになります。

よくガットがボールに伝えるパワーの議論では、上のポイントでも出てきていますが、弾力性を考えるというのがあります。弾力性とは変形して元の位置に戻る能力という意味なので、弾力性の高いガットは変形の度合いが大きく、元の位置に戻る力を使って、より多くのエネルギーをボールに伝えます。このメカニズムをよく覚えておくとパワーの増減方法がわかります。この弾力性というのは、素材によって変わる物なので、レビューや比較などをみて良さそうな物をセレクトするのが良いです。


4.コントロール

ストリングベッドの張りがきついと、たわみが少なくなります。ボールがテンションの高いストリングベッドに当たると変形が大きくなり、緩い聴力のガットよりも少ないエネルギーが伝わります。結果、ボールを打ったときに遠くまで飛ばなくなります。

したがってまだ打球にばらつきがあり、方向が定まらない初心者はガットのテンションを上げてもあまりメリットは内容におもいます。長いボールをたくさん打てるようになる、中級から上級のプレーヤーでよくベースラインを超えてアウトしてしまう人はテンションをあげることにより、スイングを変えずにショットの深さを抑えることが出来ます。


5. スピン

ガットのテンションを上げてもスピン量は増えませんが、ストリングの動き、滞留時間、ボールとの接触距離には影響します。これらの値はすべて、ボールの弾道とプレーヤーの打感に微妙な影響を与えます。

主なアドバイスは、テンションが高いとショットに一貫性や安定性が生まれ、トップスピンを打ちやすくなるということです。テンションが高い時に発生する「羽子板で打ってる感」の感触が気に入らない場合は、テンションを下げることになりますが、この場合、ガットの定期的に張り替え、緩みからくるガットの移動の影響に対応する必要があります。


スピンのかかりやすさを左右すると言われているガットの能力の一つにスナップバックというものがあります。これはボールがストリングベッドに当たり、たわんだ後にメインストリング(ラケットの縦に貼られているガット)がスナップバック、つまり、元に戻る速度が早いほどスピンがかかりやすいという事象です。科学的な研究では、スナップバック効果はメインガットとクロスガットの間の摩擦の度合いに大きく依存しているということらしいのですが、要は縦と横のガットの間に摩擦が少ない方がスピンがかけやすいということのようです。プロや上級者など、縦と横でガットを変えている人が多いのはこのような研究成果の賜物かもしれません。


6. 快適さ

ガットのテンションは低いほどストリングベッドが柔らかくなり、スイートスポットが大きくなります。また、手と肘に伝わる衝撃と振動の量が減少するため、打ちやすく快適な使い勝手になると言われいます。

また、ガット自体の柔らかさも影響するので、「コンフォート (Comfort)」を銘打っているガットは素材や作りがより衝撃や振動を吸収するものを選ぶとプレイの快適さが増します。


7. メンテナンス

これまで紹介した特徴と傾向はガットを貼り終えた瞬間から変化していきます。プレイで使えば使うほどテンションが下がっていきますので、定期的に張り替える必要があります。テンションの軟化に強い素材もありますので、タイミングはそれぞれですが、一般的にはポリアミド(ナイロン)はポリエステルよりもテンションの維持力が高いです。ゲージも太い方が維持力が高く、素材が硬めのポリエステルの方が弾力性の高いナチュラルよりも張力が続きます。


まとめ

今回は耐久性、打感、パワー、コントロール、スピン、快適さ、メンテナンス、の7つの要素を元に自分のプレースタイルにあった形でどのようにガットやテンションを選ぶべきかを検討してきました。やはり色々な条件があり、もちろん使用しているラケットにもよるところが大きいのですが、次回のガット張り替え時の参考にしてみてください。


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